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ニコニコランキングSP 2015上半期 個人的な考察とか感想とか

どうも。ニコランSPでデータ集計とPart3の編集を担当しましたにしたけです。


ニコランSP2015に57万ポイント・ニコラン告知動画に20万ポイントという
破格の広告ポイントにより、ニコニコ総合ランキングのエンタメカテ・生活一般カテの
ランキング1位に載ることができました。
なお1日で毎時落ちしてしまった模様。



図1 ニコニコ総合ランキング


おかげさまでコメントやTwitterで日頃のニコランとは比べ物にならないくらいの反響や
凄まじい数のウォッチリスト登録があったので、
今回の上半期ランキング(SP17)に関する考察をブロマガでまとめてみました。




【ご注意】
・当然のことながら2015上半期ランキングのネタバレを含みます。
 まだ観ていない人は↑の動画からぜひ観てください。
・記事中にはいくつかニコランデータベースニコニコチャート他、いくつかリンクが
 貼ってありますが、リンクを踏まなくても読めるようにはしてあります。
 より詳しいデータを確認したい方は元リンクのデータも併せて確認して頂けると幸いです。
・この記事は筆者の個人的な一視点による考察です。
 もし別の視点からの意見があるのであれば、コメントで教えてもらえるとありがたいです。
 また、ニコラン編集部の総意でもなく、あくまでも個人の感想なのでご了承ください。
・この記事に出てくる人物や投稿者名は全て敬称略とさせていただきます。
・結構長い記事なので、全部読むのめんどくさい!という方は
 下の見出しを参考に興味のある部分だけ読んでいただいても構いません。


【見出し】
1. ごちうさ1羽、3度目のSPでついに1位に
2. 思わぬ伏兵!? コメントも騒然となったアイのシナリオ2位
3. ニコランSPのポイントはデフレ化しているのか
4. 林檎影絵5位をはじめとした過去作再熱、思わぬ要因が
5. 刀剣乱舞の伸び、実は水面下だった
6. 第14回MMD杯に落とされた核弾頭、なんJからの刺客
7. 個人的感想・まとめ




1. ごちうさ1羽、3度目のSPでついに1位に



ごちうさ1羽が180万再生(再生数1位)・44万コメント(コメント数2位)という結果で2015年上半期1位という結果になりました。
この半年間で再生やコメント数のピークがどこにあったのかニコニコチャートを利用して確認してみたところ、いくつかのピークがありました。

まず、1月28日に300万再生・6月8日に400万再生到達で大きく再生数を伸ばしています。
また、正月や春アニメ放送時など、新たなアニメが始まった時期や季節の節目に
定期的に伸びている様子も見受けられました。
特にこの半年は2期の放送に関する情報が発表されるたびに再生数が伸びていましたね。

また、運営から広告チケットが配られたときにも定期的にランクインしています。
こうした要因が重なったからこそ、アニメ放送から1年以上経ったにも関わらず
180万再生という記録を残したのでしょう。

集計期間から外れた7月も、早速がっこうぐらし!からの避難所や広告チケットの影響で毎時ランキング常連となっています。
2015年下半期もまだまだ勢い衰えそうになさそうですね…2期もありますし。



2. 思わぬ伏兵!? コメントも騒然となったアイのシナリオ2位



某一般男性2連続の後ということもあってコメントが大荒れだったHoneyWork(通称ハニワ)による曲、アイのシナリオ
正直なところ、自分もSPの集計をするまで存在を知らなかった…。

週を跨いだとはいえ週刊ニコランの推移も7位・11位と大きな勢いがあったわけではなく、
ニコニコ内で流行のきっかけになるような大きな派生動画もなく、
記事を書いている現時点(2015年7月25日未明)で大百科の記事がない

そんな中、集計して初めて存在を認識したという個人的には完全に盲点の動画でした。
まじっく快斗のOPで使用されていたとのことですが、まじっく快斗自体がこの半年でニコニコで話題に挙がったというわけでもない。
過去にニコニコ関連の歌手でアニソンFullが投稿された例としては「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」や「SAVIOR OF SONG」などが挙げられますが、いずれも元アニメや幅広いジャンルによる曲の派生動画がニコニコ内である程度の人気をもたらしていたので、今回のような例は希有なものだと思いました。

日々の再生数やマイリスト数の推移から推測するに、定期的にファンが何度も聴くために再生したり、まじっく快斗をきっかけに検索してフルを見つけて視聴しマイリストする、といった人が多いのかなと思います。
あるいは、スマホ3DSなどで運営公式からオススメされていたのでしょうか。
いずれにしても、どこからこうした長期的な再生やマイリストの伸びがあったのかほとんど検討がつかないので、何か情報に心当たりがある方はコメントで教えてください


ちなみに、6月頭に中間集計を取ったときはアイのシナリオが暫定1位でした。
そのまま1位だった場合、今以上にコメントが荒れていた気がします…。



3. ニコランSPのポイントはデフレ化しているのか

ここまで1位と2位の動画について書きましたが、ここで過去3年のSPランキング結果の
一定順位に関して、総合ポイント・再生数・マイリスト数をまとめてみました。


表1 2012年~2015年までのニコランSPの各要素の上位の数値



1位はどうしても極端な数値が多く変動しがちですが(SP13のマイリスト数なんか特に)、
全体的には年々ポイントや再生数、マイリスト数は減っているように思えますね…。
特に、SP15とSP16では200万再生以上の動画の有無・10位のマイリスト数が4万以下という点において、大きく変化があるように思えます。

また、今回の結果では再生数が多い動画とマイリスト数が多い動画があまり一致しなかったという点もあり、上位の総合ポイントがあまり伸びなかった、という要因もあると考えています。この点に関しては、見出し5や6でも詳しく説明します。

今回の1位や2位に関しても、「他に対抗となる大物動画がなかった」が故の結果、といった部分も否定はできないかもしれません…



4. 林檎影絵5位をはじめとした過去作再熱、思わぬ要因が



これまでニコランSPの常連だった林檎影絵ですが、今回は5位とかなりのランクアップです。
6月9日に2000万再生祭りである程度再生数を伸ばしたというのはありますが、
同時期に400万再生を達成したごちうさとは違い週刊ニコランに再び載るというほどではありませんでした。

週当たりの再生数やマイリスト数を確認すると、
#400(2014年)以前では2~3万再生台・200~400マイリスト台だったのに対し、
#400以降、2015年からは4~5万再生台・600~800マイリスト台と
1.2~1.5倍近くの底上げがあるかのように思えます。


ここで興味深い要因として挙げられるのが、3DSのスレマランキングです。



図2 スレマランキング


すれちがいマーケティング(スレマ)自体の説明は大百科記事をご覧ください。
スレマランキング自体は昨年4月から実装されていたものですが、
4月15日以降、壁崩壊ボーナスという仕様が実装されて
これまで固定されていたスレマランキングが流動的になりました。

その結果、スレマランキングを閲覧するユーザーが増え、結果再生数の底上げや
新規のニコ動ユーザーが昔の大物動画を知るきっかけになったのかと考えています。

林檎影絵の他にも、スレマランキングでの常連で定期的に見かける動画としては
以下の動画が挙げられます。
いずれも今回のSP17で前回のSP16よりも高い再生数・コメント数となっています。






また、今回初めてランクインした動画でスレマランキング常連となっている動画としては
以下の動画が例として挙げられます。



もし他に確認しそびれた動画などあれば教えてもらえるとありがたいです。


日頃パソコンでニコニコを利用するだけではわからない、別のデバイスが長期的なポイントの増加に貢献しているのではないかと考えさせられてしまいました。むしろ、今の時代だとパソコンから定期的にニコニコにアクセスする方がマイノリティなのかも…



5. 刀剣乱舞の伸び、実は水面下だった



今年1月14日にリリースされた刀剣乱舞。今回の上半期ランキングでも手描き・MMD・BGM動画など10本がランクインするという結果を残していました。

しかし、日頃から週刊ニコニコランキングをご覧になっていた人なら心当たりがあるかもしれませんが、刀剣乱舞関連の動画は、初動の再生数があまり高くなく、ゆえに非常にマイリスト率が異常に高くなり週刊ニコランではほとんどランク外or低順位といった結果が出ています。

例えば、手描き黎鳴の初週の結果は12万再生・2.3万マイリストで週刊12位
いち兄の好き!雪!本気マジックの初週の結果は9万再生・1.2万マイリストで週刊46位
SPにランクインした他の動画と比べても非常に低い再生数・高いマイリスト数です。

これまでの週刊ニコランではマイリストのポイント倍率が10倍と低かったという理由もありましたが、SPでここまで猛威を振るうとは個人的には集計するまで予想がつきませんでした。

見出し3でも挙げた「SP17では再生数が多い動画とマイリスト数が多い動画があまり一致しなかった」原因の1つではありますが、それでも半年間で40~60万再生を叩きだすといった結果はこれまでにはない傾向だと言えます。
比較的マイリスト率が高い手描きやMAD系で今回似たような最終結果となった動画をいくつか例に挙げると、
765プロソーラン節は2週間で44万再生・3.7万マイリスト、
だんだん早くなる×修造音MADは2週間で35万再生・2.5万マイリストと
投稿後数週間で高い再生数とマイリスト数を両立させていたのがこれまで一般的でした。




自分自身刀剣乱舞自体をプレイしておらず、また刀剣乱舞関連の動画をほとんど観ていなかったといったこともあり、知人で刀剣乱舞関連の動画をよく見ている人に話を伺ってみました。(一般アカウント・かなりMMD寄り)


その結果伺えた内容としては、

刀剣乱舞にハマった当初は再生数が多い順で頻繁に検索していた。今はコメントが新しい順でよく検索している。
・「刀剣乱舞」「MMD刀剣乱舞」だけで検索することも多いが、他の人だと好きなキャラ名で検索する人も多いと思う。(本人いわく、好きなキャラと他の人とのやり取りがある複数人でのMMD動画が特に好きとのこと)
・気に入った動画はすぐマイリストに入れて何度も観ている。ただし観なくなったら消している。連続再生機能を使って何度も観たり、スマホで音楽だけ聴くということも。また、一度マイリストから消した動画も検索でふと気になって再び視聴したり、マイリストしたりすることもある。
・コメントはまったくしていない
・自分で検索するだけではなく、友達から勧められて視聴したりマイリストしたりすることも。
・自分は比較的初期から刀剣乱舞動画をよく観ていたが、後からハマった人も多い、そういった人が「再生数が多い順」で検索して動画を視聴しマイリストすることで、長期的なジワ伸びが起こっているのではないか
・自分の再生やマイリストのしかたはわりと特異的だからあまりあてにならないかも…


といった回答をいただけました。

現在進行形で人気と話題性が高くなっているからこそ、新規ファンによる人気動画の加速、さらに既存ファンの頻繁なリピートも相まって、長期的な再生数やマイリスト数の伸びという結果が見られたのかなと考えられます。実際、タグ検索PV数でも「刀剣乱舞」「MMD刀剣乱舞」は安定して高い検索数を維持しています(参考リンク→響けこのタグ(仮))。


個人的な感想ですが、現在ではどうしても刀剣乱舞は女性向け・かなりの内輪向けという印象が強いですが、今後キャラやネタが幅広いニコ動ユーザー層に認知され、局地的な人気だけではなくニコニコでの定番ネタになってほしいなとは思います。
7月に入ってから早速大物クラスの手描き動画が2本投稿されており、
また8月には第15回MMD杯もあります。
刀剣乱舞のネタやキャラがニコニコオールスター入りするのは今後の動向次第でしょう。





6. 第14回MMD杯に落とされた核弾頭、なんJからの刺客



今年の上半期ランキングに関して語るのであればこの話題には触れなくてはいけませんね。
この項目は、ニコニコのランキングにおいて非常にダークな部分を含むので閲覧注意。


長谷川亮太・唐澤貴洋弁護士に関するネタは元々なんでも実況Jという2ch掲示板で
大きく話題にされてネタにされてきた人物でした。
しかし、今年に入ってからニコニコの毎時ランキングに定期的に載るようになりました。
見出し3の図1のSP13結果にあるように一人でマイリスト数を1000万積むことができるほどにニコニコで影響力のある人に目を付けられたせのが原因です



左:1月第1週ランキング(#400)25位→ 右:同週37位→


そんな中、唐澤貴洋弁護士のMMDが完成し、10万マイリストという常軌を逸した
マイリスト数恒作が行われました。
さらには第14回MMD杯にも大きな影響を与えました。
複数の弁護士に関連する動画、およびMMD杯で対抗となる動画にマイリストを積み、
最終集計が確定する直前で対抗となる動画のマイリストを徹底的に抜くといった方法で
第14回MMD杯のTOP3を独占するという結果となりました。


対抗となったMMD動画は今回のSPランキングでも上位にランクインしていますが、敢えてリンクは載せていません。
元動画に工作や弁護士関連のコメントをするのは単なる荒らし行為に過ぎませんのでご理解いただければと思います。


第14回MMD杯本選が始まって数日経ったときにはこうなるのはわりと予想はつきましたね…
入れ代わり立ち代わりデイリー1位(意味深)になったところで最後に逆工作されるのはわりと想像つきました。





図3・図4 週刊#406・#407 エンディングコメント


いずれにしても、見出し3で挙げた
「SP17では再生数が多い動画とマイリスト数が多い動画があまり一致しなかった」
ことに関するもう1つの理由ですね。



7. 個人的感想・まとめ

今回の記事の見出しでは触れませんでしたが、
上半期ランキングでは実況プレイ動画も10本ランクインという結果でした。

SPランキングの結果やそれに対するコメントを見ると、
「元々そのコンテンツや投稿者に関する強烈なファン」
「通り魔的に他ジャンルや投稿者へのヘイトを振りまく過激なネットユーザー」
の声が非常に大きく、それ以外のノーマルなネットユーザー、いわゆるサイレントマジョリティの影響力は本当に小さくなってしまったんだなと感じてしまいます。
SPランキングのポイントが上位・下位ともにデフレ化しているのも、
各々の元々の好みのみが反映され、多くのネットユーザーが集まって大規模な祭りになるようなところがなくなったからでは…そんな気がします。

今回のニコニコランキングSPの副題とした「声なき声に力を」には、もちろん時事ネタへの便乗という意図もありましたが、それ以上にニコニコ動画を利用している潜在的なネットユーザーの動向がもっと反映されてほしい、といった思いが込められています。
ちなみに副題の原案は「声なきニコ厨に力を。」だったのですが諸々のトラブルで没になりました…Part3の説明文には書きましたが。


これまで2chTwitter等、ネットでは今ではもう無理だと散々言われていますが、
老若男女新参古参問わず、多くの幅広いネットユーザーと盛り上がれる、
ニコニコ動画はそういったところで在ってほしいなとは切に願っています。

昨年末に投稿した2014年M@STERPIECEの投稿者コメントでも書きましたが、
できれば、日頃からカテゴリ合算ランキングや、
手前味噌ですが週刊ニコニコランキングを定期的に観て、
そこからちょっとでも気になった動画があればどんどん視聴して、コメントして、
気になったらマイリストに入れて、マイリストから観直して、
ランキングはただの結果置き場ではなく多くの流動的なネットユーザーによって
作り上げたものでほしい、それこそがニコニコ動画の存在価値だと強く思っています。



…少し私見が過ぎました。
今年下半期のランキングは多くの素敵な動画に出会えるか、
集計する側にとっても、一ニコニコユーザーにとっても今から楽しみです。

また、こうして文章としてまとめるにあたり、3DSスレマランキングや刀剣乱舞の視聴者の動画など、日頃ニコニコを利用しているだけではわからないような情報を得ることができて非常に興味深くありました。情報を提供してくださった方々、ありがとうございます。


つたない文章ではありましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともニコニコランキングをよろしくお願いします。