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ランキング改変についての見解 ~その1:ジャンルと代表的なタグの意義~

先日3月11日、および3月13日の生放送でランキングが今後どう変わるかの解説生放送が行われていました。




また、インフォで概要を、ブロマガで詳細内容がまとめられています。
【告知】動画のランキングおよびカテゴリの仕様変更
新ランキング(ジャンルランキング)の詳細


それについて、自分なりに情報や他の人の意見を整理しつつ自分の意見をまとめました。

その1では、反応がかなり見られたジャンルと代表的なタグについてです。
工作対策やカスタマイズ化についてもかなり言いたいことはありますが、論旨の方向性が大きく違うと思っているので、その2にまとめています→

以下、赤字を運営からはっきりと公言されたもの、橙字は運営からの情報をもとに推測できる内容(自分の賛同・反対に問わず)、青字で自分の意見をまとめています。
できるだけ事実と推測を混ぜないように書いているつもりですが、もし混同している箇所があればコメントください。
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目次
1章:動画の分類がどう変わるのか

2章:カテゴリへの思い入れがある方々の反対意見まとめ
3章:ジャンルと代表的なタグへの見解
4章:まとめ



自分の意見だけ聞きたいという人は3章以下を、長い文章読むの大変すぎるって人は4章まで各自スクロールしてください。




1章:動画の分類がどう変わるのか

インフォではカテゴリタグからジャンルに動画の分類方法を変更しますとありますが、実際は
・大カテゴリ(別名カテゴリグループ。エンタメ・音楽やアニメ・ゲーム・絵)などを
19個のジャンル(アニメやダンス、乗り物など)に分類わけしなおし

・カテゴリタグを廃止し、代わりに代表的なタグというのを扱い、ジャンルを絞り込める

といったものになります。


大カテゴリをジャンルに変えた理由としては、
・これまでの大カテゴリは生活・一般・スポの中に動物カテゴリがあるなど、どこに分類があるかわかりづらい
・将棋盤ランキングでのパワーバランスを考慮して分類化したため、枠組みがいびつになった(結果政治カテゴリが単独で大カテゴリになってしまっていた)

などが挙げられていました。


カテゴリタグと代表的なタグの違いとしては、
・代表的なタグは見直しを行い、入れ替えを行う。期間は1ヵ月に1度程度を考え中。
・カテゴリタグは1つだけ設定、3つまでタグにつけることができた⇔代表的なタグは制約なく自由につけられるが、代表的なタグのランキング入りは投稿者がロックしたものだけになる(視聴者付けたタグでも面白くニコニコらしいが、さすがにタグロックが心配)。いわゆる検索妨害については個別で対処をする。

・これまではカテゴリタグ1個+通常タグ10個が上限⇔今後タグの上限数は11個になる。

・代表的なタグはジャンルに紐つかない。ダンスジャンルにMMDが入ることも想定している。

カテゴリ別のランキングについて詳細
・大カテゴリのランキング集計は100位、カテゴリ別のランキングはほとんどが300位まで(音楽・エンターテイメント・アニメ・ゲームは例外的に1000位まで)を集計していたのが、ジャンルでのランキングは1000位、代表的なタグは一律100位までを集計。

・絞り込みと名目上しているが、実際は検索結果であり、ジャンル内の動画に偏りがあっても代表的なタグのランキング結果が表示されなくなることは起こらない(例:音楽サウンドジャンルが1000件歌ってみたで埋まったとしても、VOCALOIDタグで絞り込みを選択した場合は100件のランキングが閲覧できる)。

・これまでは過去最高順位として、所属カテゴリ・前日総合順位 ○位・過去最高 ○位(小カテゴリ)を表示していた。今後は所属ジャンル・過去最高 ○位(ジャンル、ランクイン日時)を1時間に1度、順位を計測して表示に変更。一時的に伸びたものの24時間基準では1位になれなかった動画に記録を付けることができるようになる。

・所属ジャンルの順位は、過去最高順位と同様にグラフ化をする予定。

・代表的なタグ別の過去最高順位については検討中。代表的なタグから一時的に外れた場合のグラフをどうするかという問題があり、暫定的に所属ジャンルの順位を集計している。

・今後は、ジャンル内にある代表的なタグのランキングではなく、複数のジャンルをまたいだ代表的なタグ別ランキングの生成が実現できないか検討をしている(現段階では、例:アイドルマスターはアニメジャンルとゲームジャンルそれぞれでしかランキングが作れない?



代表的なタグの入れ替えについて詳細
・代表的なタグはジャンルごとに10~20個を想定している。出すだけユーザーに喜ばれるのはわかるが、増えすぎると動画TOPページやジャンルページで膨れ上がるという問題がある。

急激にごそっと入れ替えることはあまりしないと思う。

これまでのカテゴリタグは、少なくとも半年間は代表的なタグから外さないことを約束し、使われ続けることで今後も残る。

・タグが登録された動画数だけではなく、タグがどれだけ利用されているかをはじめといった総合的な人気度が新規や入れ替えが起こる指標。運営が恣意的に決めることはなく、人気度を機械的かつ総合的に判断して利用頻度が多いタグを代表的なタグにし、その上でほぼ似たような結果になるもの(表記揺れ。例:アイドルマスターシンデレラガールズアイドルマスター_シンデレラガールズ)は、運営がどちらかのみを代表的なタグに認定する。

・一度消えたものが戻ってくる場合も十分にあり得る。

・近いタグが両方代表的なタグに認定されることは使われ方次第であり得る(例:VOCALOID初音ミクアイドルマスターアイドルマスターシンデレラガールズ

・代表的なタグが消えるときは事前告知をするかは要検討


といった内容が公開されていました。

特に、Slackの議論で追加できなかったカテゴリや、既存のものでもカテゴリ化できなかったものを、ランキングとしてデータを生成できるようになるというのが利点として挙げられていました。今回のランキング企画担当の尾崎さんも「ずっとランキングを個人的に利用していて、タグのに上がってほしいという思いもあり、ユーザーからの意見も多くいただいているタグもある。それらに対して、運営側から『これはいい、これはダメ』という判断をするのはよくなくて、視聴者と投稿者側、利用する側が動くことによってランキングができるタグを作り上げていくというものにしたい。運営主導ではなくユーザー主導にしたい。」
「もちろん、運営側がカテゴリと定義したことによってユーザーのまとまりができたという側面があったが、それらが多様化してきたので運営の意思や恣意的な判断で選ぶのはそろそろやめたほうがいい。利用されているタグから視聴者が見たいと思っているものがランキングとしてできるようになるというシステムにしたい。」という思いを伝えてもらいました。今後、音MADやVOICELOID実況プレイなどが代表的なタグとしてランキングができるのでしょうか。



2章:カテゴリへの思い入れがある方々の反対意見まとめ

生放送でのコメントや放送時のTwitterタイムラインでは概ね好評的な反応ではあったのですが、Slackの参加者はかなりお通夜モードでした…。

詳しくは他の方々のブロマガをニコ動ランキング改変2019レビューリンクで検索してもらえればわかるかと思いますが、カテゴリというものが代表的なタグという流動的なものになることで、投稿者が居場所となるコミュニティから離れてしまうのではないかという危機感をつのらせています。

特にカテゴリのランキング作者が危惧している声を多くあげてるのは、そのカテゴリでのランキング動画が作れなくなることそのものだけじゃなく、ランキング動画を作ろうと思ったほど「そのカテゴリでランキング作りたくなるほどそこの投稿者視聴者の住人が愛着あることを理解してるから」だからだと思いますし、それほどカテゴリという場に愛着がある(投稿者であれ視聴者であれ)人は全体からすればほんのわずかの割合でしかない故生放送でのコメントで危機意識を持つ人が少なかったのではと思いました。

また、新規に代表的なタグになるものとしても、代表的なタグから短期間ですぐ降格する状況でコミュニティが維持されるのか、という懸念も挙げられていました。

運営側はできるだけ既存カテゴリの住人が戸惑ったり移行に慣れなかったりという問題を軽減しようと半年間は存続を約束していましたし、その後も活動が盛んな限りそうそう簡単には消えることはないだろうと言ってはいましたが、自分が思い出した言葉は「可能性を生み出しただけでアウトなんだよ」というものでした。大きな溝がはっきり見えたように思えます。




3章:ジャンルと代表的なタグへの見解

大前提として、今回のジャンルと代表タグに関しては、工作や広告対策をはじめとしたランキング全体に関する改変への評価とはまったく別軸だと思っています(なのでブロマガ記事を別個に分けていますし)。

正直自分は、3/11の生放送では不安しかなかったですが(カテゴリがなくなってジャンルに置き換わるの!?みたいな勘違いとか)、3/13でより深い解説をしたことよってある程度安心できました。ニコニコ動画が大幅赤字だからサーバー維持費削減のために縮小するとか、スパゲティコードで拡張性が低いから一度ゼロから作り直すとかそういったネガティブな理由も覚悟してましたので…。

自分はカテゴリという場所に愛着を持つ人ではないですし(むしろニコニコ動画というところに思い入れがある人)、おそらくカテゴリが代表的なタグに変わったとしても、自分のニコニコ視聴スタイルは変わらないと思います。

そもそも、これまでの小カテゴリというのはニコニコ上の人気を反映したものをその都度足したもので、粒度もバラバラな上に一意的に決まるものでもなく、それらをまとめたカテゴリグループを解体しジャンルに置き換えて、新規ユーザーにもわかりやすくしたいという運営の意図もある程度理解できます。


とはいっても、カテゴリというものはニコニコ動画において象徴的なもので、超会議をはじめとした公式なものからユーザー投稿の替え歌までカテゴリ名と言うのが存在しているわけですし、ニコニコが扱っている立ち位置から名前が消えるというのはさみしいものを感じます。

そして何より、カテゴリという場に強い愛着を持つユーザーが離れてしまいかねないという危惧は怖いものがあります。動画制作というのは熱意と意欲がないとできないもので、そういう意欲が冷めて一度離れてしまうと戻ってくることは非常に困難です。

たとえニコニコのアクティブなユニークユーザーが800万人で、そのうちのほんの0.01%、800人ほどの投稿者や視聴者にしか影響がないものだとしても、その800人の持つニコニコ動画への熱意や意欲というのはすさまじく高いもので、ニコニコ動画を盛り上げる力としても、今後の継続プレ会員やPV数という観点でも失ったら取り返しのつかないものだと思います。自分自身に直接関係がない変化ではありますが、意欲の高い投稿者や視聴者の活動が今後消えかねないというのは、長期的には面白い動画やブームを生み出す原動力が大きく損なわれるという点で損失が回ってくると考えています。



そもそも、大カテゴリ(カテゴリグループ)はニコニコ動画(9)で将棋盤が実装されたときに各列をまとめるために無理やりつくったものです。今後将棋盤のカテゴリの各列が自由にカスタマイズできるようになった以上、大カテゴリというもの自体をなくしてしまえばどのカテゴリにどの動画があるかわかりづらいという問題は解決できるのでないでしょうか。

具体的に言うと、ニコニコ動画(RC2)までにあったこの画面です。現在カテゴリはもっと増えていますが、いまでも3行で画面は足りでしょう。少なくとも、初見でカテゴリが一望できるので運営が挙げていた問題は解決できると思います。
画像はニュースサイトからの引用です→





とはいえ、尾崎さんをはじめとした運営メンバーがカテゴリではなく代表的なタグにして流動的なものにしたいという強い意志や信念も感じましたし、代表的なタグがジャンルに紐付けられないことのメリットや、様々な人気タグでランキングができることの魅力も感じています。

なので、カテゴリから代表的なタグになることへの実利的・精神的なデメリットを少しでも減らして、カテゴリを熱心に利用している人との折り合いをつけてほしいとは思っています。
具体的には、以下の2点は検討できるのではないかと思っています。
・代表的なタグ別ランキングを300位まで記録する
・過去最高順位はタグ別ランキングで記録することを約束する

カテゴリ別順位のランキング自体は、利用している人自体はほとんどいないと思います(おそらく運営側もアクセス数とかで把握しているかなと思います)が、カテゴリを熱心に追い続けたい人、投稿者にとっては記録が残ることが大きなモチベーションになります。そしてそれは音楽・サウンドやゲームといったざっくりとした順位ではなく、自分が関わってる場(歌ってみたとかアイドルマスターとか)でいくつと出たほうがモチベーションにつながります。

このあたりの部分は、一度新ランキングへ移行してから試すという以上に、移行する前に不安感をできるだけ取り除くことが非常に大事だと思っています。動画制作をすることや続けること、熱心に追いかけることというのはある日突然意欲が消えてしまうものなので…。

なので、これまでカテゴリでできたことは新タグでも変わらずできますよという動きはもっと必要だと思います。ジャンルと代表的なタグというシステムに移行するにしても、運営側とユーザー側がお互いに対話し歩み寄り、落としどころを見つけることが必要でしょう。


4章:まとめ

・自分はカテゴリそのものへの愛着は薄いが、カテゴリという場への強い愛着を持つ人たちがいなくなることへの危機感から今回のジャンル・代表タグ化に異議を唱える

かなり保守的な案:
・大カテゴリを廃止すればジャンルがわかりづらいという問題は解決できるはず

運営の意向に沿った現実的な案:
・代表的なタグ別ランキングを300位まで記録する
・過去最高順位はタグ別ランキングで記録することを約束する



運営側と深く居続けているユーザー側が対話で折り合いをつけ、納得した気持ちで6月のランキング改変に移行することを願います。


さて、ここまではニッチかつ濃いユーザー向けの話でした。その2はより広い、マスな視聴者を中心とした話に移ります。個人的にはこちらの方がむしろ本番だったり

その2:工作・広告対処とカスタマイズ化がもたらすもの に続きます